古代の里に鎮座する石前神社

道之長乳歯之神を祀る石前神社  2017-10-28参拝 2017-11-6

台風が迫る雨の中、三重県内を巡礼。

本日のコース
有久寺(紀北町)→多岐原神社(大紀町)→石前神社→安楽寺

石前神社 いわさきじんじゃ。

道之長乳歯之神(みちのながちはのかみ)と言う聞いたことのない神様を
祀っている延喜式内社です。
『延喜式神名帳』飯野郡四座の内の一座に比定されています。

創建不明の古社で、しかも近くには元伊勢(諸説あり)があり、
近くに街道があり、さらに豪商がたくさん出た地でもあります。
歴史ロマンの香りが漂ってきますね~


松阪市の市境になっている櫛田川沿いに県道701号が通っています。
川沿いの田んぼが広がる長閑な所ですが、道が良いのでしばしば通ります。

その道から田んぼの向こうに見えていたのが石前神社。
そのうち行ってみようと数年前から思っていました。
ついに「そのうち」が巡ってきました~

紀北と松阪 (55)

ここは中万(ちゅうま)と言う地区で、近くに射和(いざわ)と言う地区があり、
この射和は昔栄えた所だと知っていましたが、
中万は、この景色だもの、ただの田舎だと思っていました。

今回、石前神社を調べていたら、この中万も歴史が古く、
かつ豪商を生んだ所だと知りました。

紀北と松阪 (41)

左が石前神社の杜。

中万地区は伊勢街道と和歌山街道を繋ぐ位置にあり、
櫛田川の対岸には伊勢本街道が通っています。
街道こそ通っていないものの、古くから交通の要所だった所です。

近くには元伊勢・飯野高宮に比定される神山神社があります。
 神山神社の記事 >>
隣の神山(北畠氏の城跡)にある一乗寺(記事はこちら >>)もお勧めのお寺です。

紀北と松阪 (42)

なかなか立派な外観です。

現在は「中万(ちゅうま)」ですが平安時代は「乳熊(ちくま)」と言いました。
町の中心は乳熊寺(ちくまんじ)で、かつては石前神社もお寺の隣にあり、
乳熊寺は別当寺だったそうです。
どっちが古いかと言うと石前神社なんですけどね。

紀北と松阪 (43)

古代地名の名称は「伊勢国乳熊郷」で、武蔵国の豪族であった千熊長彦(ちくまながひこ)の
ご所領であったと伝わっています。
で、この千熊長彦は何者かと言いますと日本書紀に・・・・

神功51年(371)百済の朝貢に対し、千熊長彦は日本最初の外交官として百済に派遣し
百済との同盟を成立。翌52年(372)に百済への使者と共に帰朝し百済王からの
七枝刀・七子鏡等の献上品を神功皇后に届けさせる外交の成功を収めた
(七枝刀は奈良県石上神社にあり国宝)。
と書いてあるらしいです。

伊勢国乳熊郷はその功利により賜ったご所領である。
当時の領域は中万および射和、八太を含む広域の一帯だったそうです。

紀北と松阪 (52)

千熊長彦はなかなかの経歴の持ち主だったんですね。
しかし奈良時代に入ると千熊氏は歴史の中に消えてしまいます。

紀北と松阪 (44)

石前神社の創建は不明ですが、千熊氏も氏神だったのかも?

かつては上之社、下之社があり石前神社は上之社。
寛文年間(1661~73)中万の住人山上長兵衛浄山氏の社地寄進により上之社と下之社とが
現在の土地に合祀鎮祭されたそうです。

が、しかし!明治の合祀政策によって伊佐和神社に合祀されてしまいます。

紀北と松阪 (49)

しかしその後、氏子崇敬者による復興の努力がされます。
まず昭和6年伊佐和神社より仮御魂を分祀、昭和21年に改めて
伊佐和神社より祭神九座の御魂を迎え奉斎しました。

やっぱり自分たちの村を見守る氏神様にはいて欲しいですよね。
神社名も、分祀後は「伊佐和神社飛地境内社」であったが、
昭和55年に旧名の「石前神社」に戻されました。

紀北と松阪 (45)

主祭神の道之長乳歯之神(みちのながちはのかみ)は、
伊耶那岐神が穢れた黄泉の国から帰ってきて、
禊をする前に衣服を脱いだ時に帯から生まれた神です。

どんな神様かと言うと邪霊を防ぐ塞の神、穢れや疫病を祓う、結界の神
ではないかと思われるそうです。

紀北と松阪 (47)

なぜここに「道之長乳歯之神」が祀られたんでしょうね?
千熊氏の百済への命を懸けた派遣と関係があるのかもしれませんね。

まあ千熊氏が建立したとはどこにも書いてないんですけど。

紀北と松阪 (51)

境内の隅にあった祠。
役行者が祀られていました。

歴史地図を見ると二軒の豪商の家が出てきます。
竹口家と冨山家で、古い建物が残っています。

竹口家は乳熊屋といい味噌を江戸で売り、江戸で大成功。
現在も味噌屋さんです。ネットでも「ちくま味噌」で出てきます。

紀北と松阪 (53)

こちらは山の神と祠。

乳熊郷の町並みも豪商の館が残り、昔の雰囲気を留めているようです。
残念ですが新しい道路ばかりを通るので、古い道は通ったこと記憶がありません。

サイクリングしながら、町並みを見たいなと思いました。
古い地区なので、他にも小さいけど神社もお寺もたくさんあります。

町の中心だった乳熊寺は平成に入ってから仏像の盗難が相次ぎ、お堂も傷んで
廃寺の危機だったんですが、他のお寺の住職さんが兼務され、廃寺を免れたそうです。
こちらも今度行ってみたいです。

紀北と松阪 (54)

神社の杜。

 石前神社 三重県松阪市中万町字戸笠724-3

ふと思い出したんですが、今日一番に行った有久寺のご住職が、
「江戸日本橋に店を出した射和の豪商が今でも社員を連れて温泉に入りに来てくれる」と
言ってました。そうか~松阪商人は凄いね~

次は県道701沿いに櫛田川を少し下った所にある安楽天神へ行きます。
いつも道路案内の「安楽天神」と言うのを見るので、
そのうち行ってみようと思っていたお寺です。

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伊勢神宮の近所で生まれ育って
現在、伊勢の隣の町に在住。

忙しかった子育ても一段落。
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歴史の舞台、遺跡etc
あちこちお出かけするぞ~~
御朱印ももらっちゃうもんね^^

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